BeanValidationの相関バリデーションとそもそもの話

BeanValidationで相関バリデーションするときに新しいメソッド作って@AssertTrueを使うよ! っていう話があったので、それについて思う事を書きます。

なお、以下はWebアプリケーションでリクエストパラメータをPOJOにマッピングして BeanValidationを行うという流れを想定しています。

@AssertTrueでバリデーション

件の相関バリデーションはたぶんこんな感じです。

public int from;

public int to;

@AssertTrue
public boolean isFromLessThanTo() {
    return from < to;
}

私は、これは

  • メソッド内にバリデーションロジックを書くので再利用性が低い
  • @AssertTrue、そしてbooleanは宣言的ではない

と思っています。

じゃあ、どうすればいいのか

from < to を検証するアノテーションとカスタムバリデータを作りましょう。 そしてそれを付けるメソッドはbooleanではなくタプル(のような何か)を返します。

public int from;

public int to;

@FromLessThanTo
public Pair isFromLessThanTo() {
    return new Pair(from, to);
}

こうする事で、

  • バリデーションのロジックはカスタムバリデータに閉じ込めたので再利用性高まる
  • アノテーションで大小関係があるって分かって宣言的っぽい

となるかと。

そもそも

アノテーションを使ったバリデーションってどうなんでしょうね?

例えば、次のようなコードがあったとします。

@Isbn
public String isbn1;

@Isbn
public String isbn2;

アノテーションを見ればisbn1もisbn2もISBNであるということは分かるのですが、 でもそれってアノテーションの役割じゃなくて型じゃないの?と思うのです。

本来あるべき姿はこんな感じ。

public Isbn isbn1;

public Isbn isbn2;

この場合バリデーションはIsbn型へ変換するときに行うのが良いと思われます。

型よ

基本的にバリデーションは次の順番で行われると思います。

  • 必須バリデーション
  • フォーマットバリデーション(日付とされる値がyyyy/MM/ddになっているか?みたいなことです)
  • 相関バリデーション

必須バリデーションを行うか否かも型で表したい。 Optionalでないものは必須!という感じです。 たぶんそれが良いと思う。

//必須
public Isbn isbn1;

//必須でない
public Optional<Isbn> isbn2;

フォーマットも先述の通り型で表す事ができます。

それから相関バリデーションですが、最初の例であればRangeといった型を作ってそこにfromとtoを 詰め込めばfromとtoの大小関係を型で表す事ができます。

new Range(from, to);

まとめ

まとまりません! もっと理想的なバリデーションフレームワークが欲しい!

というわけでバリデーションへの悩みは尽きません。 悩ましい。

JAX-RSを始める #javaee

これは Java EE Advent Calendar 2014 の1日目です。

今回は参照実装である Jersey を使ってJAX-RSを始めるための環境構築などをだらだら書こうと思います。

ビルドツール

昨今はGradleが人気のような雰囲気漂っていますが、 Maven を使いましょう。

JerseyはMavenのprofileという機能を使っていてGradleではその辺のサポートがないっぽいのでたぶんしんどいです。

……と書きましたが最近のGradleはprofile対応してるようです。

というわけでサンプルにGradleのビルドファイルも追加しました。

Mavenのインストールはバイナリを任意の場所にダウンロードして bin ディレクトリにパスを通せばおkです。

ビルドファイルの準備

Mavenの場合

まず、 mvn archetype:generate してください。 それから出来たpom.xmlを編集します。

次のdependencyManagement要素を追加してください。

<dependencyManagement>
  <dependencies>
    <dependency>
      <groupId>org.glassfish.jersey</groupId>
      <artifactId>jersey-bom</artifactId>
      <version>2.13</version>
      <scope>import</scope>
      <type>pom</type>
    </dependency>
  </dependencies>
</dependencyManagement>

それからjersey-bomのpom.xmlを見ながら好きなものを選んでdependency要素に追加します。 とはいえJerseyはサーバ側のAPI、クライアント側のAPI、MVC拡張など多数のJARに別れて提供されているので 何を追加すれば良いのか最初は分からないと思います。

今回はサーバ側のコードを書きたいので、 jersey-server を追加します。 また、Jerseyは GrizzlyJetty などのコンテナ上で動きますが、今回は JDK付属のHttpServer で動かしたいので jersey-container-jdk-http を追加します。 どんなコンテナが使えるかは http://repo1.maven.org/maven2/org/glassfish/jersey/containers/ を参照ください。 最後にJUnitでサクッと走らせてテストするため jersey-test-framework-provider-jdk-http を追加します。

<dependencies>
  <dependency>
    <groupId>org.glassfish.jersey.core</groupId>
    <artifactId>jersey-server</artifactId>
  </dependency>
  <dependency>
    <groupId>org.glassfish.jersey.containers</groupId>
    <artifactId>jersey-container-jdk-http</artifactId>
  </dependency>
  <dependency>
    <groupId>org.glassfish.jersey.test-framework.providers</groupId>
    <artifactId>jersey-test-framework-provider-jdk-http</artifactId>
    <scope>test</scope>
  </dependency>
</dependencies>

とまあ、こんな感じで良いでしょう。

でもこんなことチンタラやってられないと思うので https://github.com/backpaper0/sandbox をcloneして jersey-blank ディレクトリ内の pom.xml をご利用ください。 私も大抵、自分が過去に書いたビルドファイルをコピります。

Gradleの場合

こんな感じ?

dependencies {
    compile 'org.glassfish.jersey.core:jersey-server:2.13'
    compile 'org.glassfish.jersey.containers:jersey-container-jdk-http:2.13'
    testCompile 'org.glassfish.jersey.test-framework.providers:jersey-test-framework-provider-jdk-http:2.13'
}

コードを書く

まあ、この辺は適当に、足し算する簡単なやつで。

src/main/java/app/Calc.java を作ります。

package app;

import javax.ws.rs.GET;
import javax.ws.rs.Path;
import javax.ws.rs.Produces;
import javax.ws.rs.QueryParam;
import javax.ws.rs.core.MediaType;

@Path("calc")
public class Calc {

    @Path("add")
    @GET
    @Produces(MediaType.TEXT_PLAIN)
    public int add(@QueryParam("a") int a, @QueryParam("b") int b) {
        return a + b;
    }
}

で、JUnitテストです。 src/test/java/app/CalcTest.java を作ります。

package app;

import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;

import javax.ws.rs.core.Application;

import org.glassfish.jersey.server.ResourceConfig;
import org.glassfish.jersey.test.JerseyTest;
import org.junit.Test;

public class CalcTest extends JerseyTest {

    @Test
    public void test() throws Exception {
        int c = target("calc/add").queryParam("a", 2)
                                  .queryParam("b", 3)
                                  .request()
                                  .get(int.class);
        assertThat(c, is(5));
    }

    @Override
    protected Application configure() {
        return new ResourceConfig(Calc.class);
    }
}

test-frameworkを使うととても簡単にJUnitテストを書ける事が分かると思います。

テスト走らせる

IDEから実行するかMavenで。

mvn test

簡単ですね!

-------------------------------------------------------
 T E S T S
-------------------------------------------------------
Running app.CalcTest
11 30, 2014 10:55:12 午後 org.glassfish.jersey.test.jdkhttp.JdkHttpServerTestContainerFactory$JdkHttpServerTestContainer <init>
情報: Creating JdkHttpServerTestContainer configured at the base URI http://localhost:9998/
Tests run: 1, Failures: 0, Errors: 0, Skipped: 0, Time elapsed: 5.109 sec

Results :

Tests run: 1, Failures: 0, Errors: 0, Skipped: 0

mainメソッドでサーバーを立てる

JUnitテストを走らせている事からもお分かり頂けると思いますが、 簡単にサーバーを立てる事もできます。

こんな感じ。

package app;

import java.io.IOException;
import java.net.URI;

import org.glassfish.jersey.jdkhttp.JdkHttpServerFactory;
import org.glassfish.jersey.server.ResourceConfig;

import com.sun.net.httpserver.HttpServer;

public class Server {

    public static void main(String[] args) throws IOException {
        URI uri = URI.create("http://localhost:8080/rest/");

        ResourceConfig rc = new ResourceConfig();
        rc.register(Calc.class);

        HttpServer httpServer = JdkHttpServerFactory.createHttpServer(uri, rc);
        Runtime.getRuntime().addShutdownHook(new Thread(() -> httpServer.stop(0)));

        System.out.println("JAX-RS started");
    }
}

アプリケーションサーバにデプロイする

GlassFishにデプロイする場合はdependencyのscopeをprovidedにしてWARファイルを作ってそれをデプロイすれば良いと思います。

Tomcatにデプロイする場合は jersey-container-jdk-http を消して、 jersey-container-servlet を追加してWARファイルを作りましょう。 こんな感じです。

<dependencies>
  <dependency>
    <groupId>org.glassfish.jersey.core</groupId>
    <artifactId>jersey-server</artifactId>
  </dependency>
  <dependency>
    <groupId>org.glassfish.jersey.containers</groupId>
    <artifactId>jersey-container-servlet</artifactId>
    <scope>runtime</scope>
  </dependency>
</dependencies>

私はServlet APIに依存しないよう作る方がポータビリティが高そうで好きなのでscopeをruntimeにしています。 Servlet APIじゃんじゃん使いたい場合はscopeをcompileにしてください。

まとめ

というわけでJerseyを使用したJAX-RSの導入部分、如何でしたでしょうか? 簡単ですよね? 特にJava EEの一部なのにアプリケーションサーバがなくても簡単に使えるのが良いですよね!ね!

最後に、手前味噌ですがJAX-RSの参考資料を挙げておきます。

はー、これらの資料もJAX-RS 2.0にアップデートしないといけないなー(しろめ

簡単ですが、以上。